蜂の子とイナゴの違い

食料が貴重であった古代において、栄養豊富な昆虫を食用とする文化は世界中にありました。日本も例外ではありません。日本の昆虫食の代表といえるものに、蜂の子やイナゴがあります。都市部に住んでいる人のなかにはなじみがなく、違いもよく分からないのではないでしょうか。ここでは蜂の子とイナゴの違いについて説明していきます。

蜂の子とは

蜂の子とは、文字どおりハチの幼虫やさなぎのことを指します。よく食べられるものにミツバチやアシナガバチ、スズメバチ、クマバチなどの蜂の子があります。古くから滋養食や食糧難の時代の貴重なタンパク質源として世界中で重宝されてきました。蜂の子は2000年前の古代中国の薬物学書で、滋養強壮や不老長寿の妙薬として最高ランクの評価がなされているほどです。日本でも岐阜県、長野県、愛知県、山梨県、栃木県、岡山県、宮崎県などの山間部を中心に、全国的に食されていたことが分かっています。甘露煮や炊き込みご飯などにして食べるほか、サプリメントとして流通しています。

イナゴとは

イナゴとは、バッタ亜目イナゴ科に属する昆虫のことで、ツチイナゴ、ハネナガイナゴやコバネイナゴなどさまざまな種類があります。イナゴはもともと水稲をエサにする害虫でした。それらを駆除する過程で、佃煮などにして食べられたことが、イナゴを食べる習慣になったといわれています。食感は小エビに似ていることが特徴です。農薬が使用されるようになって以降、常食とされることはなくなりましたが、イナゴを食べる習慣がある長野県や和歌山県など一部地域では土産などとして売られています。

栄養成分・効能の違い

蜂の子の栄養成分・効能

蜂の子はビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれた、とても栄養価の高い食品です。蜂の子の最も大きな特徴としては、人が食品から摂取する必要のある必須アミノ酸9種類をバランスよく含んでいることです。蜂の子には、ビタミンB群が豊富に含まれていることも見逃せません。これらの必須アミノ酸やビタミン類は、疲労の回復や、エネルギーを作り出す際に欠かせない栄養素です。ほかにも蜂の子のアミノ酸の効能として、ストレスなどが原因の自律神経の乱れからくる耳鳴りに有効です。また、蜂の子は美容面でも有効で、臨床試験によって蜂の子が肌のハリや弾力を保つ効果があることが実証されています。

イナゴの栄養成分・効能

イナゴも蜂の子と同じく、ビタミンやミネラルなどの栄養素を非常に多く含む、とても栄養価の高い食品です。特にイナゴは、銅や鉄、カルシウムなどのミネラルが豊富です。ミネラルが不足すると身体にたくさんの不調が現れます。ほかにもミネラルの不足は、免疫力低下の原因になります。また、イナゴには、健康の維持に欠かすことができないビタミンEやビタミンDが含まれています。ビタミンEは抗酸化作用があり、肌や血管の酸化による老化を防ぐ効果があります。そしてビタミンDには、体がミネラルを吸収しやすくする作用があります。

まとめ

蜂の子とイナゴの違いをお分かりいただけましたでしょうか。いずれも古くから人の健康になくてはならない栄養成分を含む食用昆虫として重宝されてきたものです。蜂の子は良質なアミノ酸組成によって、そして、イナゴは理想的なミネラルバランスによって、健康効果を使用者にもたらします。もし健康のためにどちらかを摂取してみようとお考えなら、上記の特色を参考にしてみてください。

【参考URL】
蜂の子とイナゴの違い
http://www.turkey-now.org/kiji22.html
蜂の子とイナゴは何が違うの?
http://www.colonymovie.com/topic28.html

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