蜂の子とアレルギー

蜂の子

ミツバチやアシナガバチ、スズメバチのさなぎや幼虫を蜂の子と呼びます。蜂の子にはタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養が実に豊富です。古くから世界中で滋養食や薬として重宝されてきました。2000年前に著された中国最古の薬学書「新農本草経」では有効性、安全性ともに最上級の漢方薬として記載されています。実際にも多くの科学研究で蜂の子が滋養強壮や予後回復に優れた効果を持つことが証明されています。

蜂の子とアレルギー

蜂の子は薬ではありませんので副作用を心配する必要はありません。ただし蜂の子には副作用とは異なるが豊富なタンパク質や栄養素が含まれるため、何らかのアレルギーを持っている方は注意が必要です。蜂の子でアレルギーを引き起こす可能性には次のようなものがあります。

過去に蜂に刺された方

過去に蜂に刺されたことがある方は、過去に蜂の毒に対して作られた体内の免疫が過剰に反応する可能性があります。症状としてじんましんや嘔吐、むくみが現れることがあります。症状が重篤になるとアナフィラキシーショックを引き起こすことがありますので注意が必要です。

ぜんそく持ちの方

ぜんそくになりやすい方や、過去にぜんそくにかかったことのある方は注意が必要です。ぜんそくとは気道の一部が極端に狭くなることで呼吸が困難になる症状です。ぜんそくの原因はさまざまですが、半数はアレルギーともいわれています。アレルギーを引き起こす物質である「アレルゲン」には、ハウスダストや動物の毛、ダニ、カビ、花粉などのほか、食物性のものではそば、かに、卵、牛乳などがあります。蜂の子は豊富な栄養素を含むので、その中にアレルゲンとなる物質が含まれる場合があります。服用の前には医師によく相談することをお勧めします。またサプリメントなど蜂の子を摂取するのであれば、蜂の子以外にも人によっては何らかのアレルギーを引き起こす成分が入っている可能性がありますので原材料をよくご確認ください。

食物アレルギーをもつ方

食物アレルギーでは卵や小麦、大豆などに含まれるタンパク質がアレルゲンとなります。
エビやカニなど甲殻類に含まれるトロポミオシンがアレルゲンとなる甲殻類アレルギーもよく知られていますが、トロポミオシンはまた、昆虫にも含まれることが分かっています。蜂の子のタンパク質にも(甲殻類アレルギーの原因物質である)トロポミオシンが含まれているため、甲殻類アレルギーを持つ方は注意が必要です。

まとめ

蜂の子が安全な食品であることは多くの食経験や製品流通によって明らかです。しかし蜂特有の成分や豊富なタンパク質などを含むため、人によってはアレルギーを引き起こす可能性があります。蜂の子を摂取する前には医師によくご相談いただくとともに、一般食品同様、ご自身にとってアレルギーを引き起こさないことの確認が大変重要です。

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