蜂の子と貧血について

蜂の子とは

蜂の子とはミツバチやアシナガバチ、スズメバチ、クロスズメバチなどのさなぎや幼虫のことです。蜂の子の豊富なタンパク質は人間の体内で合成できない必須アミノ酸9種すべてをバランスよく含みます。そして炭水化物や脂質に富む上、ビタミンB群やビタミンCといったビタミン類や、カリウム、鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルなども豊富です。高タンパク質源として、また理想的な滋養食として世界中で重宝されています。
鉄分を豊富に含む蜂の子は貧血予防にも効果があります。ここでは蜂の子の栄養素が貧血を改善することについて詳しくみていきましょう。

貧血とその原因

体内の細胞や組織が日々元気に活動するためには、常に血液を通じて新鮮な酸素が供給されることが重要です。血液中の酸素は血液細胞の中のひとつ、赤血球によって体のすみずみまで運搬されます。赤血球の内部は鉄を含む赤いタンパク質ヘモグロビンで充満しています。赤血球が酸素を運ぶことができるのは、ヘモグロビンが酸素を強く引きつけるからにほかなりません。しかし何らかの理由で赤血球やヘモグロビンが不足したり、うまく機能しなくなったりすると体内のすみずみまで酸素を行きわたらせることができなくなり、貧血となります。
貧血になるとめまい、立ちくらみ、動悸などが起きるため通常の生活を送ることが困難になります。貧血の原因は実にさまざまです。鉄分や亜鉛といったミネラルの不足によるもの、自律神経の乱れによるもの、疾病を原因とするものなど多岐にわたります。

鉄欠乏性貧血

体内の鉄分はその約7割がヘモグロビンをつくるために使われ、残りは肝臓や骨髄、脾臓など体内の組織に貯蔵されます。しかしひとたび体内に貯蔵されている鉄分が消耗されるとヘモグロビンをつくるために必要な鉄分が足りなくなります。こうなると赤血球が酸素を運ぶことができなくなるため貧血になります。この貧血を鉄分欠乏性貧血といいます。特に女性に多く、妊娠、出産、生理、無理なダイエットなどさまざまな要因によって鉄分が不足します。
また慢性的に鉄分不足が続くと頭痛や疲労感、倦怠感といった症状が現れることがあります。これらは自律神経の不調や更年期、生理不順などが引き起こす諸症状によく似ているため誤診が起こりがちです。

亜鉛欠乏性貧血

酸素の運搬に関係するヘモグロビンタンパク質が体内で合成されるためには造血ホルモンの力を借りなければなりません。造血ホルモンは亜鉛を必要とするため、亜鉛が不足すると体内で造血ホルモンがうまく機能することができなくなり貧血になります。亜鉛もまた汗や尿から流れ出す性質があります。亜鉛欠乏性貧血は特に大量に汗をかくスポーツ選手や長距離ランナーなどに起こりやすい貧血として広く理解されています。日々の生活で大量に汗をかくことが多い方は注意が必要です。

自律神経の乱れからくる貧血

自律神経は日中、覚醒した状態で優位となる活動的な交感神経と、夜間リラックスした状態で優勢となる副交感神経の良好なバランスと切り替えによって循環器や消化器、呼吸器などの活動を制御しています。自律神経のバランスは加齢、ストレスや疲労、不眠、不規則な生活などさまざまな要因によって乱されます。自律神経のバランスが乱れると血圧の異常や血流の乱れ、肩こりやめまい、頭痛、吐き気、多汗、倦怠感、不眠などの症状が起こります。症状は人によってさまざまですが、それらが血液異常を引き起こし貧血になることがあります。自律神経のバランスを整え精神を安定させることで貧血が改善することがあります。

蜂の子は貧血を改善する

蜂の子で鉄分を摂取

蜂の子は亜鉛を豊富に含みます。鉄分はまたビタミンCによって生体への吸収が高まることが分かっています。蜂の子には豊富な鉄分とともにその吸収を高めるビタミンCが含まれます。それゆえ蜂の子は摂った鉄分を効しっかりと吸収して鉄欠乏性貧血を改善に導くまたとない栄養食です。
なおこのことは私たちが一日に必要な鉄分を補給する上でも大変有効です。たとえば日本の厚生労働省は成人男性では一日あたり7~7.5mg、成人女性では一日あたり10.5~11mgの鉄分を摂ることを薦めています。しかし実際に基準を満たすにはそれなりにむずかしくやはり何らかの工夫が必要です。鉄分は食品から摂ってもせいぜい10%程度しか吸収されないからです。さらに鉄分は汗や尿から流れ出すため吸収ロスを起こしやすいミネラルでもあります。それゆえ鉄分とビタミンCとを豊富に含み、鉄分を逃がさず効果的に摂取できる蜂の子は私たちが一日に必要な鉄分を補う上でもまたとない栄養食といえるのです。もちろん一日に必要な鉄分を補給することができれば貧血症状も改善へと向かいます。

蜂の子で亜鉛を摂取

蜂の子は亜鉛を豊富に含みます。ただ一般に亜鉛は鉄分と同様、単体で摂ってしまうと   
吸収が低くなるという性質があります。しかしうれしいことに亜鉛もビタミンCといっしょに摂ることで吸収を高めることができます。蜂の子は亜鉛の吸収を高めるビタミンCを含んでいるので摂った亜鉛をロスなく効果的に吸収することができます。
豊富な亜鉛と亜鉛の吸収を高めるビタミンCを含む蜂の子は亜鉛欠乏性貧血を改善に導く理想的な栄養食です。

蜂の子でトリプトファンを摂取

自律神経の乱れが原因の貧血の諸症状は脳内でセロトニンという物質が不足することと大きな関係があります。セロトニンは私たちが安心や平静、充足感といった感情を支配する代表的な脳内物質として有名です。脳内のセロトニン量の不足を補うことができれば、これら一つ一つの症状に働きかけ、ひいては貧血症状を改善に導くことができます。
脳内でセロトニンが合成されるためにはセロトニンの材料である必須アミノ酸トリプトファンをしっかりと補給することが必要です。しかしトリプトファンだけではセロトニンの合成は不十分です。ほかにビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムのサポートを受けることが重要です。そのどれかひとつが欠けてもセロトニンを合成することはできません。
蜂の子はセロトニンの合成に必要な栄養素をバランスよく含みます。必須アミノ酸の  
トリプトファン、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムがしっかりと含まれています。蜂の子は自律神経の乱れからくる貧血の改善にもってこいの食品なのです。

まとめ

蜂の子は鉄分や亜鉛の不足、自律神経の乱れなどさまざまな原因のために起こる貧血を改善します。しかし貧血の中には疾病のために貧血になっている可能性があります。疾病の例としては、経血の増加や期間の長期化をともなう子宮筋腫などの婦人科系疾患、血液をつくるための造血幹細胞が障害される骨髄系の疾患(多発性骨髄腫や再生不良性貧血など)、慢性腎不全などの赤血球を作れない疾患、胃がんや胃潰瘍などです。貧血をともなう疾病はほかにも多岐にわたります。そのような場合はかならず医師との相談の上、蜂の子をお試しください。

【参考URL】
蜂の子で貧血を改善①
https://www.calgold.com/goldenfairs/
蜂の子で貧血を改善②
http://toa-search.netgamers.jp/blood.html

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